プラごみの分別収集-廃止の意向
久喜市議会全員協議会が開催され、
新ゴミ処理施設(2026年完成予定)の稼働に合わせて、プラごみの分別収集を廃止し、可燃ゴミと一緒に収集する意向が示されました。※ただしペットボトルは従来通りの分別収集を継続
これは、廃プラを炉の「燃料=熱エネルギーのもと」として発電などに効率的に活用する考え方で
「サーマルリサイクル」と呼ばれています。
プラスチックのリサイクルというと、廃プラを材料として再利用する「材料リサイクル」がイメージされやすいですが、
日本で回収されるプラスチックの処理のうち材料リサイクルの割合は約2割に留まり、約6割をサーマルリサイクルが占めています。
▼サーマルリサイクルの優位性▼
•分別の手間が不要
•いわゆるリサイクルとしてイメージされる「材料リサイクル」とサーマルリサイクルを比較すると、環境負荷軽減効果は大差ない(プラスチックを材料として活用する従来のリサイクルは、選別→運搬→加工→残渣の処分などにおいてもCO2負荷が発生する)
※一般社団法人プラスチック循環利用協会調べ
https://www.pwmi.or.jp/pdf/panf3.pdf
https://www.nikkakyo.org/system/files/JaIME%20LCA%20report_0.pdf
https://www.nikkakyo.org/system/files/JaIME%20LCA%20report_0.pdf
•材料リサイクルは、海外への輸出が重要なルートだが、この輸出がアジア諸国の海洋プラスチック問題の一因でもあった。
アジア諸国が廃プラの制限を始め、今後は輸出には頼れない。国内処理の場合、高コストになる可能性
•材料リサイクル、サーマルリサイクル以外の選択肢として考えられるケミカルリサイクルは、コスト面と品質の安定化に課題がある
•新施設をサーマルリサイクル対応にした方が、現状と比較して20年で約40億のコスト(初期費用、維持費)削減が期待出来る
•都内をはじめ、多くの自治体ではプラスチックを可燃ゴミとして出すのが一般的(炉の技術進歩によりダイオキシンは発生しない)
以上の理由をまとめて、以下4点の観点から、
■住民サービスの向上
■環境負荷軽減効果
■市のコスト削減
■国内他自治体の状況
私はサーマルリサイクルの導入に現時点で賛成です。
今後、関連予算の審議を通じて見解に間違いが無いかを確認して参ります。
尚、環境省が発行する「令和元年度版環境白書」にも、プラスチック資源循環戦略基本原則として
「持続可能な形で、徹底的に分別回収し、循環利用(リサイクルによる再生利用、それが技術的経済的な観点等から難しい場合には熱回収によるエネルギー利用を含め)を図る」
と記載されています。
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