未来の担い手へ

卒業式や入学式で述べた祝辞です。
議員としてご挨拶の機会を頂く場合は
「短くまとめること」(運動会1分、式典3分)と「紙を読まないこと」(全文暗記)をモットーにしています。

2026年3月あけぼの東幼稚園 卒園式にて

【もっと、世界は広がる】

つき組の皆さん、ご卒園おめでとうございます。

とてもカッコいい姿に感動しています。

さて、みんなは、生まれてから今日まで、大きく世界を広げてきました。

最初の世界は、お母さんのおなかの中。

一生懸命話しかけていた声は、聞こえていたでしょうか。

生まれてきて最初の居場所は、小さなお布団の上。

抱っこからお布団に降ろすと泣いてしまうので、困ったこともありました。

そのうちに、コロコロと向きを変えられるようになり、自分で這って進めるようになります。後ろをついてきてくれるのがとっても嬉しかったです。

自分の足で立ち上がり、歩くようになってからは大変です。すぐ転ぶので一緒に歩くのがドキドキでした。

そうやって、少しずつ世界が広がっていく中で、みんなは、幼稚園と出会います。

おうちではない場所で知らないお友達や、先生に過ごすことは大冒険でした。

この大冒険でみんなは、

最初は知らないお友達とも、すぐに仲良くなれること、を知ります。

傷ついているお友達に声をかける優しさを知ります。

家族以外にも、たっぷりの愛情を注いでくれて、信頼できる大人がいることを知ります。

大きな舞台での発表会や、たくさんお客さんがいる運動会では、

今まで知らなかった真剣な表情を見せてくれました。

そうして、毎日の大冒険が重なって、世界が広がって、今日のこのカッコいい姿。

こんなに嬉しいことはありません。

時間というのは不思議なもので、

楽しい時間はあっという間に過ぎるし、

つまらない時間は、なかなかすぎてくれません。

幼稚園で過ごす日々は、家族にとって、紛れもなくアッという間でした。

それが、ここで過ごした時間が素晴らしかった証です。

さあ、もうすぐ一年生です。

みんなの大冒険は新たなステージに入ります。

もっともっと、世界は広がる。

小学校の6年間も、きっとあっという間に過ぎていく。

74名の卒園生の皆さんの未来が、74通りに輝くことを願って、祝辞とします。

久喜中学校新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。

今日から中学生活のスタートラインに立つ


皆さんの力強い姿に感動しています。


さて、いきなりですが小さいころから私は漫画やアニメが大好きです。

鬼滅の刃、ドラゴンボール、スラムダンク―。数々の作品に親しんできました。


そうした素敵な作品には、共通点があります。


それは、主人公が「完璧ではない」ことです。


失敗をしたり、挫折したり、自分の弱さをさらけ出したりすることです。


では、「主人公」を「自分」に置き換えるとどうでしょうか。


失敗や挫折は出来るだけしたくないし、自分の弱さも人に見せたくはない。

37歳の私がそうです。きっと12歳、13歳の皆さんもそうだと思います。


でも、多くの作品を通じて、本当は知っているはずです。


失敗があるから成功が輝くことを、


一回しゃがんでこそ、高くジャンプ出来ることを


そして自分の「弱さ」は周りから見ると、「親しみ」でもあることを。


一度きりの中学生活、主人公はあなたです。


完璧である必要はないし、最短距離を進む必要もありません。


時に、立ち止まったり、想像と違う道を通っても良いと思います。


そこからしか見えない景色が、あなたのストーリーを彩ってくれるはずです。

125名の皆さんのストーリーが、125通りに輝くことを祈念して祝辞といたします。

2025年3月あけぼの東幼稚園 卒園式にて

ご卒園おめでとうございます。

今日は、お父さん、お母さんたちを代表して、皆さんにありがとうを伝えます。

当たり前ですが、お父さんもお母さんも、最初からお父さん、お母さんだったわけではありません。子どもが生まれてから、お父さん・お母さんとしての生活がスタートしました。

私も、お父さんになってから、世界はガラッ変わりました。

自分一人では気が付かないことを、子どもが教えてくれるからです。

いつも通っている道にも、きれいな花が咲いていること

空に浮かぶ雲は、よーく見ると恐竜にも見えること

出来なかったことが出来るようになる姿が、とても嬉しいこと

お父さん、お母さんの世界を広げてくれて、たくさんのことを教えてくれて、心から感謝しています。

さて、10年後、皆さんは何歳になりますか?

成長していくにつれて、幼稚園で過ごした日々は、少しずつ忘れていってしまうかもしれません。

でも、幼稚園で過ごした日々は、決して無くならない、「たしかな根っこ」をつくってくれました。

初めて会ったお友達とも、一緒に遊べば、すぐに仲良くなれること、

友達が悲しい気持ちの時は、自分も悲しい気持ちになること、

一緒に笑うと、とっても楽しい気持ちになること。

みんなはこれから大きな木のようにぐんぐん成長していきます。

強い風が吹くと、枝が折れることもあるし、葉っぱが落ちることもある。

でも、根っこが揺らぐことはありません、

ずっと、みんなの成長を支えてくれます。

さて、もうすぐ1年生です。

大きくなるにつれて、見える景色も増えてきます。

みんなの前にどんな景色が広がるか、とても楽しみです。

ずっと、応援しています。

素敵な一年生になってください。

◆2019年3月 久喜中学校卒業式にて

卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

9年間の義務教育課程を終えた皆さんの心強い姿に、感激しています。

卒業する皆さんに伝えたいことは

「家族を大切にして欲しい」ということです。

昨年夏、私は父親になりました。

生後8か月の息子は最近、自力でボールをつかんで、転がすことが出来るようになりました。

子を持つ親となって、はじめて分かったことがあります。

「子供が何かに挑戦して、出来なかったことが出来るようになること」は親として本当に嬉しいということです。

15年間生きて来た皆さんが「出来る事」はもう数え切れません。

それは、出来ることの数だけ、挑戦を繰り返してきたからです。

挑戦の度に、成長し、たくましくなっていく皆さんの姿は、

ご家族にとって、先生方にとってどれほど嬉しいものであるか。想像もつかないほどです。

思春期と言われる時期ですから、親との関わり方で思い悩むこともあるかもしれません。

心にも思っていない言葉が、口から飛び出してしまったり

誰にもぶつけることが出来ない感情を、親にはぶつけてしまったり

そういった中でも忘れて欲しくないのは、

あなたのお父さん、お母さんは、

あなたのことが「大好きだ」ということです。

口うるさいのも、

小さなことにも心配するのも、

やたらと話しかけてくるのも、

あなたのことが、大好きだからです。

あなたのことを、もっと知りたいと思っているからです。

その気持ちは、あなたが生まれてからこの瞬間まで一切変わってないはずです。

そして、あなたが成長していく姿に、この上ないパワーをもらっているはずです。

出来れば、節目の今日は直接感謝の気持ちを伝えて欲しいのですが、

それが難しければ、これからも、あなたが挑戦する姿を、たくさん見せて下さい。

それが、家族の皆さんに感謝を示す方法の一つかと思います。

この中学校生活は、きっとかけがえのない素晴らしい日々であったと思います。

しかし将来「中学校に戻りたい」と、思ってほしくはありません。

この素晴らしき中学校の思い出を胸に、いつ、どんな状況であっても「今」が最高だと言えるような日々を過ごして下さい。

これから始まる新たな日々が、面白いものになるかどうかは、あなた次第です。

自分から動いて、世界を広げて、面白い日々を作って下さい。

201名の卒業生の皆様の未来が、201通りに輝くことを祈念して祝辞といたします。

◆2017年3月久喜中学校卒業式にて

卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

9年間の義務教育を終えた皆さんの姿、本当に力強く感じます。


小学校からの9年間、楽しいことも、大変なこともあったかと思います。

学校行事、授業、友達と過ごした時間、部活動やクラブで大切な仲間と同じ夢を追った日々。

覚えていることも、もう忘れてしまったことも、全ての瞬間が積み重なって、今のあなたがあります。


それはこれからも同じです。良い日も、そうでない日も、どんな日も必ず未来につながっています。そのことを忘れず、挑戦を続けて下さい。


さて、いよいよ、この春から高校生活が始まります。


部活動や勉強に取り組む中で、必ずしも思い通りにいかないこともあるかと思います。

そんな時、皆さんに1つだけ約束してほしいことがあります。


「高校つまらない」とか「部活つまらない」とか、「つまらない」という言葉を簡単に使わないことです。


「つまらない」というのは、感想であり、感想は「お客さん」が使う言葉です。

1度きりの人生。あなたはあなたの人生の「お客さん」ではありません。

あなたは、主人公であり、ストーリーを作る脚本家です。

ストーリーを作るあなたが、「つまらない」と切り捨ててしまったら、その先の展開はありません。


もし「つまらない」と思うような状況があったなら、自分の力で、あるいは友達の力を借りて、その状況を面白く変えることが出来るような、力強い人でいてください。


この春、皆さんは自分の力で、進む道を切り拓きました。


希望通りの道に進む人も、そうでない人もいるかもしれません。


でも、これだけは忘れないでください。


どんな道に進んだとしても、今はまだ、通過点です。

あなたの人生という長いストーリーの「途中」です。


主人公も、ストーリーを描くのもあなた自身ですから、その気になれば、この先どんな展開も描けるはずです。

自分で決めて、自分で動いて、最高のストーリーを仕上げて下さい。


久喜中学校203名の皆さんの未来が一層輝くことを祈念いたしまして、祝辞と致します。


◆2016年3月 久喜北小学校卒業式にて

卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

小学校6年間の課程を終えた皆さんのたくましい姿に、心から感激しています。


この春から中学生になる皆さんに、是非身につけて欲しい力があります。

それは「直接見えないことを想像する力」です。


例えば、皆さんが朝起きる前から仕事に行ったり、ご飯を準備してくれる、家族の方。

例えば、皆さんがたくさんのことが学べるようにと、一生懸命支えてくれた先生方。

そういった方々に支えられて、この素晴らしい6年間がありました。

直接は見えない部分でもたくさん支えてもらっていたことを想像し、感謝の心を忘れないでください。


この春から始まる中学校生活を最大限に楽しむために一つ大切な事があります。

それは「周りの人からどう思われているか」を気にし過ぎないことです。

中学生くらいになると、周りのことがとても気になります。


もちろん、自分がどう映っているか、他人の目線に立って考えることは、大切なことです。自分自身を客観的に見られることは、素敵な成長かもしれません。

ただ、周りからどう思われているかを気にするあまり、

あなたが「やりたいこと」や「やるべきこと」がおろそかになるのは、違います。


友達に「合わせる」ことだけが、友達を大切にすることではありません。

友達を大切に思うのであれば、お互いに刺激し合える関係であるように「自分自身を大切にする」ことを忘れないでください。


そして「自分を大切にする」ということは、転ばないように気を付けることではありません。

「転ぶ勇気」を持つことです。

全力で走れば、転び方も盛大です。とても悔しい想いをするかもしれません。

でも、「くやしい」という気持ちは、あなたが目標に向かって真剣に走った証拠です。

悔しさは、次に立ち上がるときの力に変わります。

それは、転ぶ勇気を持った人だけが手にする、大きな力です。

必ずあなたの背中を押してくれるはずです。


「大人になる」ということは、もうそんなに遠い話ではありません。

あなたは、どんな大人になりたいですか。どんな中学生になりたいですか。

まだ直接は見えない将来の自分を「想像」して、「今」の自分を大切に、最高の中学生活を送って下さい。


北小卒業生56名の皆さんの未来が、一層輝くことをお祈り申し上げ祝辞と致します。