金券を学校で子どもに手渡し?


先日の議会で議論になったことを報告します。

国は物価高騰の支援として、各市町村に財源を出しています。

ざっくりというと・・・

「お金は国が出すから、どういう方法で物価対策するかは、市町村で考えてね」という仕組み。

先日久喜市が行った「プレミアム付きpaypay」が、まさにこの仕組みを利用していました。

ところがプレミアム付きPayPayは申込が伸びず、約1千万円の余りが出てしまいました。

前述のように「国からの財源」なので余剰金を使い切るべく、

市長は「商工会の商品券2千円分を一部の市民に配布する」という案を議会に出してきました。


色々問題はあるのですが、最も問題は、「小中学生に学校で金券を手渡しする」

という点です。

念のため整理すると、配布の対象は以下の通りです。


【配布対象】

①0歳~18歳

⇒そのうち、小中学生のみ学校で手渡し。それ以外の年齢の子どもには郵送(ゆうパック)


➁77歳以上

⇒そのうち「77歳」「88歳」「99歳以上」の方は、予定の訪問時に手渡し

一部ご高齢の方には敬老事業の記念品を手渡しする機会に手渡しなので、まだ理解出来るのですが、小学校1年生~中学校3年生までの子に、わざわざ学校で手渡しする理由が全く不明です。


議会で多くの議員が何度も「『手渡し』が発案された経緯」を確認しましたが、

「庁内の協議の中で出てきた」という答弁でした。


子どもへの手渡しは、すぐ思いつくだけでも問題点が多いです。


▶教員の負担増

⇒金券の配布&チェックを学校の先生方が担うのは、どう考えても理不尽ですし、業務外の行為です。


⇒不登校の子や、欠席の子への対応など、単に「配布する」だけで終わりません


※一部の議員の発信では「手渡しにすると郵送費が削減できる」との主張もありましたが、

それは、郵送費分の業務を学校の先生に押し付けているだけです。

ただでさえ、業務過多な先生方にこれ以上の業務を発生させるのは、ひいては教育環境の悪化にもつながるでしょう。「お金が掛からない」=「コスト削減」ではありません。目に見えない人的コストも考慮するべきです。


▶紛失/トラブルのリスク

⇒小学校1年生の子が、2千円の金券を持って帰ってくることは、保護者の立場からも考えられません。尚、途中で紛失しても当然に再発行などはしないようです


⇒学校で一斉に配布するものと思われますが、盗難やトラブルのリスクも生じます

どうせ配布するなら、全て郵送にするべきですし、それが最も効率的で安全な手法でしょう。


そのような理由で、私はこの予算に反対しましたが、議会の多数決では「可決」となってしまいました。


国政においては選挙直前のバラマキへの批判が殺到していますが「集めて配る」というのは、有形無形の膨大なコストが掛かります。


世論を見ても、令和の時代においては、バラマキという古い手法で、古い政治家が目論むような効果は得られません。


配るならば、最初から集めないというのが、スタンダードになることを痛感しています。

貴志信智 公式サイト

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