東鷲宮駅前、4億円立体通路の謎

3行で言うと 


・誰が通るか不明な立体通路に4億円?


・何もかも未定のまま「立体通路」だけが独り歩きの謎


・不透明な意思決定による「例外」は内部統制を壊す!

前議会で私は補正予算案に反対しました。
補正予算内に含まれていた東鷲宮駅前「立体通路」の決定経緯があまりにも不透明だったからです。

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どこをつなぐのか
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東鷲宮駅前からは、今春イオンが撤退しましたが、跡地を更地にして他のスーパーが進出することが決まっています。

※一部で、市が「誘致した」という誤った認識がありますが、民間所有の商業用地に、新たな民間事業者が進出する民間対民間の事例につき、権限を持たない久喜市の関与はありません

久喜市は「新たなスーパー」の2階部分をテナント借りし、子育て関連公共施設を設置したい方針を掲げており、

今回の「立体通路」は東鷲宮駅前広場から公共施設(スーパーの2階)につなぐためとされています。

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誰が通るのか
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「立体通路」と聞くと、久喜駅前の西口デッキのような駅直結の形状をイメージされる方も多いと思いますが、本件は事情が異なります。

駅直結では無いこと、今まで通り地下通路を通って、駅前広場に出てから、道路を横断するための「立体通路」であることが議会答弁で判明しています。

いわば「屋根付き陸橋」です。

土地勘が無いと伝わりづらく恐縮なのですが、東鷲宮駅前の交通量はさほど多くなく、横断歩道も設置されているため、横断もさして困難ではありません。

「駅直結でも無い」「交通量も多くない」道路の横断になぜ屋根付きの陸橋が必要なのでしょうか。

そもそも、東鷲宮駅の東口に住んでいる方々は、立体通路を通るとかえって遠回りになることから、わざわざ通行することはほぼ無いでしょう。

また、自転車の駐輪場が2階に設置されることは無いでしょうから、自転車の利用者が立体通路を通行することはありません(車利用者は言うまでもなく対象外)

市は答弁の中で「電車に乗ってくる方が雨にぬれずに、公共施設にたどり着ける」と言及していましたが、

公共施設の稼働時間(恐らく9時~17時)に、駅を主に使う通勤通学の方々の多くは、東鷲宮に帰って来ていないでしょう。

残すは「子育て関連施設を目当てに、電車に乗って遠くから来る」可能性ですが、

子育て世代の当事者である私の感覚から言って、自宅→最寄り駅→移動という行程を子連れで完遂するのは、極めてハードルが高く、遠くの施設に電車で行くという発想にはなりません。

行くとしたら車を使います。

以上の理由から立体通路を使う方は極めて少ないものと予想しますし、

少なくとも「必要性」が薄弱であることは明らかです。


4億円近い費用に対して充分な効果を生めるとは思えません。


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不透明すぎる意思決定
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1万歩譲って、この立体通路が必要だとして、その大前提は「スーパーの2階に公共施設を設置すること」です。

しかし、肝心の公共施設の設置自体が、市として正式な手続きを経て具体的に決まっているわけではありません。

スーパーと、久喜市が締結した「確認書」が市側から開示されましたが、

公共施設に関して書面で確認されていたのは「スーパーの一部スペースを公共施設として確保する」程度でしかありませんでした。

つまり「床面積」も「賃料」も「契約期間」も何もかも決まっていない状態で、なぜか「立体通路」が先行しているわけです。


賃料も決まらないうちに、立体通路の設計費5千万円を支出し、後戻りできない状況になれば、当然、今後の賃料交渉で久喜市が不利な立場になるでしょう。

そもそも久喜市は今、公共施設の再編案(個別施設計画)の再検討を開始したばかりです。(市長選挙前の新庁舎の撤回により、再検討が必要になりました)

全体のバランスを見て再配置を検討するべき時期に、新たな施設の設置が、いきなり「例外」として飛び出したことも、今後に禍根を残すものと思います。

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原資が公金である自覚を――――――――――


本件に限らず、公金を原資とする以上、意思決定の「透明性」は必須です。

市長は「オーナー社長」ではありません。扱っているのは、自分の財産ではなく、市民の皆さんから託された「公金」です。

「説明出来る」正当な手続きを踏むことも重要性が、市役所新庁舎の撤回騒動を経ても、未だに軽視されていることが残念でなりません。

いくつもの「例外」が、内部統制を壊し、やがて未来へとツケを残すことを強く危惧しています。

チェック機関としての役割を果たし、おかしいことはおかしいと、声を挙げていきます。

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