お母さんを、助けたかったから
先日、議会で元ヤングケアラーの方のお話を聞く機会を頂きました。
この方は、お母さまの精神疾患により、小学生のころから身の回りのことはもちろん、夕飯づくりを全て担っていたそうです。
放課後は遊ぶ間もなく毎日夕飯づくり。
多くの時間を家事に充てたため、同級生と同じことは出来なかった。と振り返っていました。
質疑応答の時間、私は「当時、もっとも欲しかった支援はどんな支援か?」と聞いてみました。
てっきり、真っ先に「食事つくりの負担軽減」に言及されるかと思いましたが、違いました。
『よりそってくれる大人。ライフステージの様々な選択を、全て自分で判断するのは困難だった』
『食事つくりは、苦では無かった。お母さんを助けたかったから』
『今にして思えば、配食サービスなどがあればありがたかった』
苦ではなかったー。
むしろ、役に立ちたかったー。
この言葉は大きな衝撃でしたし、
ヤングケアラー問題の深層を少しだけ垣間見た気もしました。
子どもながらの使命感と責任感、そして家族への深い愛があるからこそ、多くを抱えて誰かを「頼る」という選択肢が遠のくのかもしれません。
そんな中、行政が「申請主義」と言われる「待ち」の姿勢でいては、必要な支援が届くはずもありません。
取り得る支援を「届ける」仕組みが必要であることを痛感します。
そして、ヤングケアラーの場合は何らかの支援を知り得たとして、手続きを自分で進めるのは不可能です。
「寄り添う大人」、具体的には「スクールソーシャルワーカー」などの手厚いサポートが必要なのは間違いありません。
もう一つの課題は「発見」です。
ヤングケアラーには、自分がヤングケアラーであることに気が付いていない場合もあると聞きます。
気が付いていても、声をあげる手段を知らない子もいます。
埼玉県はLINE相談窓口を開設していますので、すぐに出来るのは、この周知。
さらには、ヤングケアラーの大まかな定義と、誰かに「相談していい」「頼っていい」とする意識の啓発が必須と思います。
国内に10万人いると推測されるヤングケアラーが抱える状況は千差万別でしょうし、私などまだまだまだ理解不足です。
久喜市で何が出来るのか具体的に考え、議会で提案したいと思います。
また、皆様もヤングケアラーの相談窓口の周知にご協力をお願いいたします。
埼玉県ヤングケアラーLINE相談
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