成果主義の実効性を高める!
先週は、久喜市議会総務財政市民常任委員会(名前長い!)の一員として、愛知県、三重県に視察に伺いました。
(写真は三重県いなべ市)
議会の視察とは、全国各地の先進事例を研修するために行われます。久喜市議会では、委員会視察は一年に一度となっています。
愛知県豊田市では「人事考課システム」ついて研修を行いました。
今回は視察で学んだ具体的内容と、久喜市に活かすべき内容について記します。
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平成26年の地方公務員法改正により、公務員の人事評価に「成果主義」の考え方が取り入れられるようになりました。
↓三菱UFJリサーチのレポート
従来の公務員は一般論として
・「法令に忠実であること」
・「先例や他の自治体の事例を調べ、確実かつ定型的に判断すること
が求められてきましたが、これからは人口減少・都市間競争の時代。
これまで求められてきた力に加え、「課題を見つける力」「課題を解決する力」など能動的な力が求められるのは自明と言えます。
そこで豊田市では、意欲的な業務への取り組みを促すべく、人事考課の結果を得点化し、賞与や昇給に反映する制度を導入しました。
いわゆる査定≒考課が賃金に反映されるのは、民間では当たり前ですが、年功序列が色濃い公務員の世界では最近になってやっと、導入が進んだ程度。
実際に賃金や昇進に反映されているレベルでいうと、やはり民間との差は歴然です。
その点豊田市の場合は課長級で考課によって年間で約20万円、部長級では約30万円のの差を出しており、先進的な取り組みと言えます。
昇給分の予算は、勤勉手当を一律3%を引き下げることで確保しているそうです。
これも意欲を促す工夫なのかもしれません。
考課にはA~Eまで判定があり、
A判定は上位10パーセント以内など、割合が決められていますが、標準のC評価以下の割合はあえて決めていないそうです。
ここが、この制度の悩ましいところで、
この場合、
「成果主義」は言いつつも、実際は標準評価「C」が多数を占めることも可能なわけです。
もちろん、窓口対応など必ずしも「成果」につながる性格でない業務を抱えるのは、公共サービスの使命であることは理解します。
しかし、実際問題として、ひとくくりに「公務員」といっても個々のパフォーマンスに歴然とした差があるのも事実です。
公務員の方は「身分保障」という圧倒的なアドバンテージを持ちます。
素晴らしいパフォーマンスを出す方がいる一方で、
このアドバンテージに、あぐらをかいてしまう方が居ないとは、言い切れません。
そのため私は、C(標準)に至らない評価も一定数つける事が出来る制度が望ましいと考えます。
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ちなみに、かの橋下徹大阪市長は、A~Eまですべてに割合を決める「相対評価」を導入しました。
これは、各ランクに割合が決まっているため、DやEも絶対に発生するという、超強気な制度です。
ここまでやるかは、議論が分かれるところですが、
頑張った人と、そうでない人に明確な差が出る評価の仕組みは、全ての自治体に必要と感じます。
また、豊田市では人事考課の得点化に際して、チャレンジ精神を評価する加点主義を執っており、インセンティブの観点を重視しているとのこと。
確かに、減点を恐れて何もしない人を量産する事が目的ではないので、「加点主義」視点が重要であることは間違いありません。
管理部門など目標設定が難しい部署に関しては、効率化、制度改正への対応が目標として設定されるようです。
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久喜市でも、成果を賃金に反映する仕組みは存在していますが、A-E各評価の人数割合や、賃金アップ分の財源など、不明点も多くあります。
次回議会で質問し、さらに実効性を持った制度となるように取り組みます。
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